【2026年版】TRS - オーストラリアの税金払戻し制度の手続き方法

最新情報に基づくオーストラリアの税金払戻し制度の概要、適用条件、TRSの手続きの方法を、オーストラリア在住のスタッフが写真入りで詳しく説明いたします。

TRSの手続きは、事前にWebサイトまたはアプリで必要事項を入力しQRコードを作成しておくと、当日の申請手続きがスムーズに進む場合があります。ただし、オンラインで申請が完了するわけではなく、出発当日に空港などのTRSカウンターで、パスポート、搭乗券、Tax Invoice、対象物品を提示する必要があります。

それではTRS - オーストラリアの税金払戻し制度の申請方法を、順番を追って解説させていただきます。

なお、TRSで払戻しを受けた物品を後日オーストラリアへ持ち戻る場合は、入国時に申告が必要となり、免税範囲を超える場合はGST/WETや関税等の支払いが必要になることがあります。

TRSとは?

TRS(ティーアールエス)とは「Tourist Refund Scheme」の頭文字をとった略称のことで、「旅行者税金払戻制度」となります。

オーストラリア出国の際に、オーストラリア国内で購入した物品にかかっていたGST(消費税10%)、WET(ワイン平衡税14.5%)の払戻しを申請できる制度です。

旅行者が出国時に自分で携行してオーストラリア国外に持ち出す物品が対象です。オーストラリア国内で消費されるサービス、消費済みの物品、別送品、危険物、たばこ類などは対象外となります。

つまりオプショナルツアー、ホテル代などは、オーストラリア国内で「消費されてしまう」サービスなので、払戻しの対象外となります。

洋服、カバン、カメラ、時計などは、オーストラリア国内で購入後に使用を開始していても、出国時に本人が携行して持ち出し、係員に提示できれば払戻し対象となる場合があります。

免税店で既にGST、WETを引いた金額で購入している場合は、もちろんこの払戻し制度の対象外となります。

TRSの払戻額

TRSによるGSTの払戻し金額は、GST込み購入金額の1/11です。GSTは商品価格に10%上乗せされているため、税込価格そのものの10%ではなく、税込価格を11で割った金額がGST相当額になります。

GST払戻金額の計算方法は、購入金額を11で割ると簡単に求めることができます。

例)$550のカバンを買った場合・・$550を11で割った$55が払戻し金額

ワインを購入した場合は、GSTに加えてWET(ワイン平衡税)の払戻しを申請できる場合があります。ただし、ビール、蒸留酒、たばこ類はTRSの対象外です。

TRSの適用条件

TRSを申請できる適用条件は下記の通りです。

  • オーストラリア出国前60日以内に購入されたもの
  • 同じABN番号(オーストラリア事業者番号)を持つ事業者から、合計$300以上(GSTを含む)の対象物品を購入していること
  • 英語で書かれた有効なTAX INVOICE(タックス・インボイス)が発行されていること
  • 機内持ち込み荷物として持ち出し、係員に見せることができるもの(航空会社チェックイン前に税関事務所で所定の手続きを行って預け荷物に入れたものを除く)
  • 出国までに消費されてしまうサービス、物品でないこと
  • 免税品など、GST非課税の物品でないこと
  • たばこ類、ビール、蒸留酒などの対象外品でないこと(ワインは条件を満たせばWETの払戻し対象になる場合があります)
  • 別送品でないこと
  • 飛行機で出国する場合は、出発予定時刻の30分前までにTRSカウンターでの手続きを終えること(クルーズ船の場合は出港予定時刻の1~4時間前)

TAX INVOICEとは?

TAX INVOICE(タックスインボイス)とは、簡単に言うと商品を購入時に発行される領収書のことです。

TRSで認められる「有効な」TAX INVOICEの要件は下記の通りです。

  • 「TAX INVOICE」の記載があること
  • 英語で書かれ紙に印刷されていること
  • 発行者の会社名、オーストラリア事業者番号(ABN)、住所が記載されていること
  • 購入した商品の明細
  • GSTまたはWET、税金の支払い額
  • 購入日
  • TAX INVOICEの合計が$1000以上の場合は、購入者の名前がパスポートと同じ表記で記載されていること

TAX INVOICEは基本となる書式がオーストラリア税務当局によって決まっており、最後の$1000を超える場合の購入者名の記載を除き、自動的に上記を満たすものが発行されます。

TAX INVOICEが$1000以上の場合は、支払い時にTRSの手続きを空港で行う旨を伝え、購入者名をパスポート通りに記載してもらうように注意しましょう。

$1000を超えないTAX INVOICEは、名前の記載は不要です。

税金の払戻し方法

TRS手続きによる税金の払戻し方法は次の3つから選択することができます。現金で払戻しをうけることはできません。

  • クレジットカードへ返金
  • オーストラリアの銀行口座に振り込み
  • 小切手の郵送(非推奨)

最も早く返金を受け取れる方法は「オーストラリアの銀行口座に振り込み」になりますが、オーストラリアの銀行にオーストラリアドル建ての銀行口座をもっていなくてはいけません。

小切手の郵送は日本円建て、日本の住所へも郵送可能ですが、到着まで2か月程度かかることもあり、郵送中の紛失も考えられます。

日本を含むオーストラリア国外からの観光客の場合は、1番目の「クレジットカードへ返金」の選択が一番無難と思われ、実際に多くの方がクレジットカードへの返金を選択されています。

「クレジットカードへの返金」は、「クレジットバック(Credit Back)と呼ばれ、通常買い物で使った場合、クレジットカードの信用枠から引かれていきますが、それを逆にプラスで返金する方法です。

クレジットカードへの返金もオーストラリアドル建てで返金は行われますが、日本などオーストラリア国外で発行されているクレジットカードの場合、買い物時と同様に少ない手数料でカード会社が発行国通貨に換算(日本国内発行のカードの場合は日本円に換算)してくれますので問題ありません。

返金を行うクレジットカードは、Amex、Diners、JCB、MasterCard、Visa、UnionPayの利用が可能です。ただし、UnionPayのデビットカードは利用できないと案内されています。

TRS手続きの流れ

TRSによる税金払戻しの手続きは、下記のような流れになります。

Step 1

航空会社チェックイン時、税金払戻しを受ける物品は、預け荷物に入れずに機内持ち込み手荷物とします。

液体物、ジェル、エアゾール類など、航空機内への持ち込み制限により手荷物にできないもの、または大型品で機内持ち込みできないものは、航空会社のチェックイン前に空港内のABFカウンターで物品を見せ、所定の手続きを行います。

詳しくは液体物のTRS手続きを参照してください。

Step 2

出国審査、機内持ち込みの保安検査を行った後、「TRS」または「Tax Refund」のサインに従い、TRSの受付カウンターへ進んでください。

空港によっては、TRS受付カウンターの列が「QR Code Only」と通常受付に分かれている場合があります。

「QR Code Only」は、TRSのWebサイトまたはスマートフォンアプリで事前に情報を入力し、QRコードを作成している方向けの列です。QRコードを持っていない場合は、通常受付の列で係員に必要事項を伝えて手続きを行います。

詳しくはTRSのオンライン申請を参照してください。

Step 3

カウンターでパスポート、搭乗券、TAX INVOICE、返金先クレジットカードを渡し、指示があれば物品を係員に見せて確認してもらってください。

前述のTRSオンライン申請を済ませている場合は、上記に加えてQRコードを提示してください。

シドニー空港のTRS手続きカウンターの表示

TRS手続きカウンターの入り口。右がQRコード所持者、左がその他の人の列。

TRS手続きカウンターの入り口。右がQRコード所持者、左がその他の人の列。

TRS手続きカウンターの入り口。右がQRコード所持者、左がその他の人の列。

上の写真の列の案内を拡大したもの

上の写真の列の案内を拡大したもの

液体物のTRS手続き

100mlを超える液体物は、国際線の飛行機に手荷物として持ち込むことができず、航空会社のチェックインカウンターで預け荷物の中に入れる必要があります。

TRS手続きでは出国手続きを終えた後にあるTRSカウンターで、係員に税金払戻し手続きを行う物品を目視で確認する決まりになっており、通常の手続きでは液体物は払戻し手続きはできないということになります。

しかしながら、航空会社のチェックイン前に、出国エリア外にある税関カウンター(Australian Border Force)で物品を見せて事前に認証を得ることにより、液体物のTRS税金払戻しの手続きを行うことが可能です。

この手続きを終えた後、払戻しを申請する液体物の物品は、航空会社の預け荷物に入れてチェックインして構いません。

その後、出国審査を終えた後にあるTRS手続きカウンターにて、税金払戻しの手続きを行ってください。

出国エリア外のABFカウンターの場所は空港により異なり、またターミナル改装などで変わることがあります。液体物、大型品、預け荷物に入れる必要がある物品でTRSを申請する場合は、出発空港の案内表示、空港係員、またはAustralian Border Forceの案内で最新の場所を確認してください。

TRSのオンライン手続き

TRSの税金払戻しの手続きは、PC、スマートフォン、タブレットから「My TRS Claim」のWebサイトで事前に情報を入力し、QRコードを作成しておくと、空港での手続きがスムーズになる場合があります

Webサイトのほか、iPhone / iPad用のAppleアプリ、Android用のGoogleアプリ版もあり、これらからでも同様にTRS Claim Code(QRコード)を作成できます。

また、シドニー空港のようにQRコード所持者向けの列を用意している場合は、通常受付より短い時間で手続きを終えられることがあります。ただし、混雑状況により所要時間は変わります。

ただし注意したいのは、オンラインでできるのはあくまで「事前入力」であり、オンラインでTRS申請が完了するわけではありません。出発当日にTRSカウンターで係員にQRコード、物品、Tax Invoice、パスポート、搭乗券を提示する必要があります。

返金手続きを行う必要な情報をあらかじめオンラインで入力しておけば、手続き時のそれらの必要情報の入力が省け、処理の時間が早くなるということです。

「My TRS Claim」のWebサイトからの手続き方法を順番を追って説明いたします。

Step 1

PC、スマートフォンなど端末から「My TRS Claim」のサイトへアクセスする。 https://trs.border.gov.au/

Step 2

「Your Privacy」、プライバシーに関する取扱いに同意します。チェックボックスにチェックを入れる、右下に次のページに遷移する「Next」のボタンが現れます。

TRS手続き1

Step 3

表示された質問に答えていきます。

① パスポート発行国(日本などオーストラリア、ニュージーランド以外はOtherを選択)
② パスポート番号
③ オーストラリアの住民ですか?
④ オーストラリアを出発する日

入力完了後、右下の「Next」ボタンを押して、次のページへ進んでください。左下の「Previous」ボタンを押すと前の画面に戻ります。

TRS2

Step 4

税金の払戻しを申請する「Tax Invoice」が、下記の要件を満たしているか確認してください。

  • 「Tax Invoice」と記載されているか
  • 販売者のABNナンバー(オーストラリア事業者番号)が記載されているか
  • 販売者の会社名が記載されているか
  • 購入した物のGSTが含まれた金額
  • 購入したものの明細
  • 購入日
  • Tax Invoiceの合計金額が$1000以上の場合は、購入者の名前(パスポートと同じ表記)

問題なければ「Add Invoice」のボタンを押して、Tax Invoiceの登録をしていきます。

TRS3

Step 5

Tax Invoiceを1枚ごと登録していきます。1回のオンライン手続きで最大10枚までのTax Invoiceを登録できます。

① 販売者のABNナンバー(オーストラリア事業者番号)
② 記載があれば、Tax Invoice番号またはレシート番号(空欄可)
③ Tax Invoiceの発行日(購入日)
④ 購入した物の明細。「Goods Type」で当てはまるものを選択し金額を入力
⑤ 同じTax Invoice上に複数の物品が記載されている場合は、「Add Another Item」のボタンを押して行を追加していく
⑥ 「Amount Paid for Claimable Goods, including GST/WET $XXXXX」の金額が、Tax Invoiceの金額と一致しているか確認する
⑦ 金額が一致しているのを確認後「Save This Invoice」のボタンをクリックする

Step 6

入力されたTax Invoiceに間違いがないか確認してください。

「Total Of All Invoices」は登録したTax Invoiceの総合計金額、「Estimated Total GST/WET Refund Being Claimed」は払戻し予定金額の総合計になります。

間違えた場合は右手の鉛筆アイコンをクリックして編集、またはごみ箱アイコンで削除してください。

一度のオンライン申請でTax Invoiceを最大10枚まで申請が可能です。追加する場合は、「Add Invoice」ボタンを押して、Tax Invoiceを追加してください。

問題なければ右下の「Next」ボタンを押して、次のページへ進んでください。左下の「Previous」ボタンを押すと前の画面に戻ります。

Step 7

最後は税金払戻しの受領方法の指定です。下の3つの方法から選択できます。

  • Credit Card(Amex、Diners、JCB、MasterCard、UnionPay、Visa)
    クレジットバックと呼ばれるクレジットカードに対して返金処理で払戻しを受け取ります。クレジットカード番号はここで入力せず、TRSの払戻し手続きカウンターでクレジットカードを係員に提示して行います。
  • Australian Bank Account
    オーストラリア国内の銀行口座に振り込みで払戻しを受け取ります。
  • Cheque
    小切手の郵送で払戻しを受け取ります。小切手は到着まで2か月程度かかる場合があり、紛失や換金手続きの手間もあるため、通常はおすすめしません。

選択後、右下の「Next」ボタンを押して、次のページへ進んでください。左下の「Previous」ボタンを押すと前の画面に戻ります。

Step 8

入力した内容の確認画面が現れます。

「Declaration」の項目最後にある、「I declare that the information entered in this TRS claim is true and correct.」(私は、このTRSクレームに入力された情報が真実かつ正しいことを宣言します。)にチェックを入れると「Claim Code」と呼ばれるQRコードが表示されます。

そのQRコードをスクリーンショット、印刷、またはQRコード上で右クリックで保存などして、出発当日のTRS払戻し手続きカウンターで提示できるようにしてください。

カウンターで係員がこのQRコードをスキャンすると、ここで入力された情報が係員の端末に表示されて、TRS税金払戻しの手続きがスムーズ、スピーディーに行われます。

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