オーストラリアで出会える動物たち ~ コアラ編
コアラ(Koala)は、野生ではオーストラリアでしか出会うことのできないオーストラリアの固有種の動物です。
科学的にはPhascolarctos cinereusという名前で、非常に愛らしい外見と、ユニークな食性が特徴です。
オーストラリア旅行において、「コアラを見る」は大きな目的の一つになるのではないでしょうか。クイーンズランド州など一部の州に限られますが、動物園でコアラを抱っこして写真を撮ることは、オーストラリア旅行の外せないアトラクションの1つと言えます。
本稿ではそんなオーストラリア観光の人気者であるコアラについて、長年オーストラリアの現地で観光に携わってきたスタッフがご紹介させていただきます。
コアラの生態

コアラの種類
コアラはオーストラリアにしか生息していないオーストラリアの固有種の動物です。
科学的にはPhascolarctos cinereusという名前で、非常に愛らしい外見と、ユニークな食性が特徴です。
お腹に袋のある動物で、哺乳類の中では一般的に有袋類と呼ばれています。
「コアラは全部一緒」と思われている方も多いと思いますが、実は、彼らは2種類に大別されます。ひとつは小型で毛が明るい灰色をしている北方種と、大型で毛が濃褐色のビクトリア種です。
ケアンズやゴールドコーストの動物園で見られるコアラの多くは北方種、シドニーやメルボルン、パースの動物園で飼育されているコアラの多くはビクトリア種です。
野生の場合はそれぞれ生息している場所が違います。
コアラの語源
コアラはアボリジニ語で「水を飲まない」を意味しています。
コアラはユーカリの葉しか食べない動物です。それも、何百種類とあるユーカリの中で、約50種類のユーカリしか食べません。
ユーカリの葉の成分の半分以上は水分なので、コアラは水を飲まなくてもこのユーカリの水分だけで生きていくことができます。
ユーカリの葉には毒素を含む油分があり、一般的な動物はこの毒素を自身で分解することができません。
しかしながら、コアラの肝臓にはこの毒素を分解できる特殊な酵素があり、ユーカリを食用の植物とすることができます。
コアラはユーカリの葉を一日に400グラムから1キログラム食べます。
つまり、多いコアラでは500ミリリットルもの水分を1日で摂取していることになります!
コアラのお腹の袋の秘密
コアラは一度の出産で子供を1匹生みます。
妊娠期間はおよそ35日で、体長2cm、体重0.5グラムほどの未熟児を生みます。これは、多くの哺乳類は妊娠すると胎盤が形成されますが、有袋類であるコアラの胎盤は原始的で、胎児を長期間育てることができないことによります。
生まれたばかりのコアラは目も見えず、毛も生えていません。彼らは生まれるとすぐに前足を使って母親のお腹を這い上がり、母親の袋(育児嚢)に自ら入り込みます。
それから半年から1年ほどの期間、育児嚢の中にある乳首から乳を飲んで成長していきます。赤ちゃんコアラが袋から落ちないように、母親は袋の口を自分の意思でしっかりと締めることもできます。
成長した子コアラは、袋から顔を出し、母親のフン(パップと呼ばれる離乳食)を食べるようになります。実は、このパップの中にユーカリの葉を消化するのに必要な微生物が含まれていて、それを受け継ぐことによって、代々コアラはユーカリの毒素を分解できるようになります。
余談ですが、ユーカリの葉には制菌作用の強い成分か含まれているため、コアラにダニなどの虫がつくことは滅多にありません。
コアラの特徴
コアラは栄養価の低いユーカリの葉しか食べないので、新陳代謝が非常に遅く、体力を温存するために1日に18時間から20時間も木の上で眠っています。
コアラの前足には、親指に当たる指がふたつあり、残りの3本と対になったつくりになっています。この独特の構造と強い握力と筋力で木の枝をしっかりと掴み、寝ている間にも彼らは木から落ちることはありません。生物学的にも、こういった指の配列を持った動物は、コアラ以外には確認されていません。
のんびりした印象が強いコアラですが、実は、本気を出すと地上で走ることもできますし、いざとなれば泳ぐこともできます。


コアラ基金

オーストラリアの野生のコアラを保護し効果的な対策を講じるために発足した非営利のコアラ団体がAKF(Australian Koala Foundation)です。
もともとのコアラの生息地の多くがヨーロッパ人の入植開拓によって失われ、現在でも都市開発や気候変動、干ばつなどがコアラの生存を脅かしています。
かつてコアラは安価な毛皮製品の材料として大量に捕獲輸出され、1900年代初頭には絶滅の危機に瀕していました。
そこで、1986年にコアラ基金が発足し、コアラの生息分布や生態についての正確な調査が行われるようになりました。
現在では、コアラ保護法(Koala Protection Act)の制定を目指したロビー活動や、科学的根拠に基づいた生息地保護運動など様々な活動を行なっています。
観光客向けのコアラ抱っこ写真に関する規制が厳しくなったり、一部の動物園で抱っこが廃止されたりしているのも、こうした保護意識の高まりが背景にあります。
→Australian Koala Foundationについての詳細はこちらのリンクをご覧ください
コアラが見られる動物園とコアラ抱っこができる動物園

コアラを抱っこしての写真撮影は、一生の思い出になること間違いなしです。
上述の通り、コアラの抱っこ写真については動物愛護や個体保護の観点から規制が非常に厳しくなってきています。2026年現在、コアラ抱っこの写真撮影ができる場所は、クイーンズランド州、南オーストラリア州、西オーストラリア州の3州に限られています。
シドニーのあるニューサウスウェルズ州やメルボルンのあるビクトリア州では、州法によりコアラの抱っこは禁止されていますのでご注意ください(横に並んでの撮影は可能です)。
さらに近年では、抱っこが許可されている州内でも、動物園側の独自の判断で抱っこプログラムを廃止するケースが増えています。例えば、ブリスベンの有名な「ローンパイン・コアラ・サンクチュアリ」も、2024年にコアラ抱っこを終了し、現在はコアラの近くでの見学体験へと切り替えています。
これは、コアラに与えるストレスを最小限に抑え、教育的な側面を重視する世界的な潮流によるものです。個人による事前予約も非常に取りづらくなっており、当日のコアラの体調次第で中止になることも珍しくありません。
今後もコアラ抱っこを廃止する施設が増えることが予想されますので、体験を希望される方は、最新情報を確認した上で早めに計画を立てることをお勧めします。
コアラ抱っこ写真については以下の記事をご参照ください。
コアラを野生で見られる場所

野生のコアラはもちろんオーストラリアに生息しています。
動物園ではなく、自然のコアラの姿を見てみたいという方は、見つけるのが非常に難しい(保護色で木と同化しているため)のですが、遭遇率が高いと言われる以下のスポットに注目してみてください。
ケネットリバー(メルボルン郊外)
ケネットリバーは、グレートオーシャンロードにある、野生のコアラを観察できるポイントとして非常に有名です。多くのグレートオーシャンロード日帰り観光ツアーにも含まれている定番スポットです。
コアラだけではなく、美しい海岸線や野生のインコなども楽しむことができ、オーストラリアの豊かな自然を体感できます。
→メルボルン発着野生のコアラに出会えるツアーはこちらのリンクをご覧ください
マグネチック島
マグネチック島は、クイーンズランド州タウンズビルの沖合に浮かぶ、野生コアラの宝庫として知られる島です。
島内の「ザ・フォーツ(The Forts)」と呼ばれるトレッキングコースは、高い確率で野生のコアラを発見できることで人気です。ユーカリの木の上を注意深く探しながらのハイキングは、最高のアドベンチャーになります。
アクセスはタウンズビルの港からフェリーを利用します。
→タウンズビル発マグネチック島行きフェリーMagnetic Island Ferry社ウェブサイト
カンガルー島
アデレードからアクセスできるカンガルー島は、まさに「野生動物の楽園」です。島のいたるところで、カンガルー、ワラビー、アシカ、そしてコアラなどの野生動物を目撃することができます。
カンガルー島のコアラは、1920年代に保護目的で持ち込まれた個体が繁殖したものです。一時期は増えすぎが問題になるほどでしたが、2019-2020年の大規模な森林火災(ブッシュファイヤー)により、生息数は大きく減少しました。しかし、現在も島内の各所で懸命な保護活動と再生が進んでおり、再びコアラたちが安心して暮らせる環境が戻りつつあります。
確実に野生の姿を見たい場合は、「ハンソン・ベイ・ワイルドライフ・サンクチュアリ」などの保護区を訪れるのがベストです。
→ カンガルー島観光の完全ガイド - 行き方、見所、ツアー紹介
コアラに関するよくある質問(FAQ)
はい。2022年2月、オーストラリア政府はクイーンズランド州、ニューサウスウェルズ州、およびオーストラリア首都特別地域におけるコアラの保護ステータスを「危急」から「絶滅危惧(Endangered)」へ引き上げました。生息地の破壊や病気、気候変動の影響を強く受けており、国家レベルでの保護が急務となっています。
はい、強くお勧めします。現在、コアラの健康管理(抱っこ回数の制限)のため、多くの動物園で「完全予約制」や「先着順の人数制限」が導入されています。当日現地に行っても売り切れていることが非常に多いため、旅行の予定が決まり次第、動物園の公式サイトやツアー会社を通じて事前に予約をしておくことが重要です。
コアラは夜行性に近いため、昼間のほとんどは寝て過ごします。もし動いている姿を見たいのであれば、動物園の開園直後の朝一番か、夕方の閉園間際、または「餌の交換(ユーカリの入れ替え)」の時間帯を狙うのが最も確率が高いです。飼育員さんにユーカリの入れ替え時間を聞いてみるのが良いでしょう。
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