【2024年版】オーストラリアの物価について

海外旅行と言えば、飛行機代、ホテル代、出発前に発生する費用も気になりますが、実際海外に行ってから食事代、交通費など、現地で発生する費用も気になりますよね?

そこで今回はオーストラリアの物価についてまとめてみました。

オーストラリアは日本に比べて物価が高いと言われますが、本稿では経済学部卒、オーストラリア在住の筆者がその実態を考察してみたいと思います。

本稿がオーストラリア旅行の予算のイメージ作りの一助になれば、幸いです。

オーストラリアの消費者物価指数の推移

オーストラリア 物価

*消費者物価指数上昇率の推移 Australian Bureau Statistics Consumer Price Index, Australiaより筆者作成 (縦軸単位:%, 横軸単位:会計年度)

オーストラリアの物価変動要因は、主に住宅価格、家賃、賃金、豪ドル水準の変化や原油価格動向などに影響される輸入物価が挙げられます

概要として、新型コロナウイルス禍前の消費者物価指数(CPI)上昇率のピークは2008年7-9月期(前年比5%増)で、日本の日銀に当たるオーストラリア準備銀行(RBA)が重視する当時の潜在インフレ率は4%台後半で、中期的な2-3%のインフレ目標を上回る水準でした。

その後、2012年後半の炭素税導入による物価上昇や、2013年後半の豪ドル安による輸入物価の上昇など一時的な変動が見られましたが、CPIはインフレ目標値の範囲内で推移してきました。

しかしながら、2015年以降の資源価格の大幅下落と景気減速により、潜在インフレ率は2%を下回る水準になりましたが、近年は、労働需給のタイト化による賃金の上昇や、住宅価格および家賃の上昇が再びオーストラリアの物価を押し上げられていました

2020年に発生した新型コロナウイルス禍の影響により、経済成長率の鈍化局面を迎え、オーストラリア準備銀行(RBA)は政策金利を0.1%まで下げることにより、経済活動の活発化を図るに至りました。

2022年に入ると、不動産価格の急騰、新型コロナウイルス禍からの脱却に伴う高い消費行動、これらによりインフレ率が急速に加速、その伸びは7.0%以上にも及び、過度なインフレを抑えるためにオーストラリア準備銀行(RBA)は、新型コロナウイルス禍の影響により、0.1%まで抑えていた政策金利を2022年5月より上昇へ転換、2024年1月現在の政策金利は4.35%となっております。

インフレ抑制のために取られた政策金利の上昇に伴い、2023年10月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年比4.9%まで落ち着きを取り戻した状況です。

オーストラリアの物価高騰についての考察

経済の概要は解りましたが、オーストラリアの物価が高騰する理由について、もう少し構造的なイメージを教えてください。
ズバリ、オーストラリアの物価上昇の仕組みは、人口、人口分布、国土面積、産業構造の絡み合いです。以下にて解説してみたいと思います。

オーストラリアの物価が高い理由は、様々な要因が絡み合った結果ですので、一言で説明するには無理がありますが、日本と比較したときに一番解りやすいの以下の論理かと思います。

  • 人口が少ない
  • 人口密度が都市部では高いのに、地方では極端に低い
  • 国土面積が極端に広い
  • 第一次産業に傾倒している

オーストラリアの人口は約2,600万人で、そのほとんどがシドニー、メルボルン、ブリスベン、パース、アデレードといった一部の都市に集中しており、地方や内陸にはほとんど人が住んでいません。しかも広大な国土面積は日本の21倍弱もあり、結果、物流の効率が極めて悪い状態にあります。

しかも、オーストラリアの産業は農業や鉱業といった第一次産業を主としており、工業は弱いので、この物流コストが物価上昇を牽引します。

例えば、工業製品ならば都市の近くで集約的に生産できますが、オージービーフを集約的に生産するなんてことは物理的にできません。酪農の生産量を増やそうと思えば、どうしても広い土地が必要になり、どんどん郊外へと進まざるを得ません。鉱物も同じで、都市部から離れたところで産出されるなら、そこで産出して都市へ運ぶしかありません。

また、人口が都市部に集中しているために、都市部の物価は上がりやすくなります。さらに、第一次産業が主要産業で人手が必要なのに、地方では人手が集まらず、それがまた人件費の高騰を牽引しています。

地政学的にも物価が上がりやすい、人件費が上がりやすい、工業が弱いなど、物価を押し上げる様々な要素が絡み合い、人件費が上がるから物価が上がる、物価が上がるから人件費が上がるというスパイラルになっています

オーストラリアの物価を具体的に考察

オーストラリア 物価

次に、オーストラリアの物価の高さについて、オーストラリア旅行で観光客の方が具体的に触れる場面を考察してみたいと思います。

上記表に具体的な品目の価格平均値をオーストラリア国内での豪ドル表記と日本国内での円からの豪ドル換算値でまとめました。

日本で$3.52相当のグラスビールがオーストリアでは$6.50ドル、着席しての食事平均は日本で$21.18相当がオーストラリアでは$35、マクドナルドのビックマックセットMサイズは日本で$8.82相当がオーストラリアでは$13.50など、それぞれ倍近くの価格差があり、全ての品目において、日本よりもオーストラリアの方が高いことが分かります。

日本からのツーリストの方が触れる機会が多いであろうこれらの品目を一掬いしただけでもこれだけの差が顕著になりますので、オーストラリアの物価が高いとお感じになることが明らかに想定されます。

オーストラリアの物価がこれほどまでに高い理由は、上項の分析の通りですが、如実に影響を与えるのが、改めて人件費の高さです。

オーストラリア 物価

*OECD加盟国の最低賃金時給換算USドル建て OECD Real Minimum Wage 2019より筆者作成

上記表は、OECD(経済協力開発機構)が作成しているReal Minimum Wage(実質最低賃金)のランキングの2019年のデータから抜粋したものです。

この資料によると、日本の平均時給8USドルで世界第13位なのに対し、オーストラリアの平均時給は12.6USドルで世界第1位となります。

この高騰する人件費が大きなコストとなり、モノの価格に反映されていることがよく分かります。

しかもサービスや製品のクオリティは日本のそれに比べて決して高くないことが、余計にオーストラリアの物価が高いと実感させられるのだと思います。

オーストラリア旅行の予算のイメージ

オーストラリア 物価

*円/豪ドル為替推移 Thomson Reutersより (横軸:年, 縦軸:円)

オーストラリアの物価を実感するのに為替を無視することは出来ません。

円/豪ドル為替はここ10年で上記チャートの通り推移して来ました。

2024年1月現在の円/豪ドル為替: 1豪ドル=約95円(2022年3月以降 90円から96円前後での円安傾向にて推移)

ツーリストの方の目線で言えば、豪ドルは通貨流通量の関係から、円から豪ドルへの両替をする際は、一般的にオーストラリア到着後になさった方がレートはお得になります

筆者が通常期のオーストラリア国内旅行をする時に目安にする予算のイメージは以下のとおりです(豪ドル)。

  • スーペリアクラスホテル朝食付き $250/室
  • レストランでのディナー $70/人
  • カフェでのランチ $30/人
  • 終日現地発着観光ツアー $250/人
  • レンタカー $90/日
  • 都市間移動の航空機 $150/人 ジェットスター航空利用

クリスマスホリデーや年末年始、スクールホリデーなどの繁忙期には更に高額となります。

皆様のご来豪が円高のシーズンと重なることを祈っております!

トラベルドンキーオーストラリアでは、物価の高いオーストラリアでも、皆様のオーストラリア旅行の重要なパーツとなる現地オプショナルツアーを可能な限りお手頃価格に設定してご提供させていただきます。

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