オーストラリアへの入国・旅行はいつから可能に?(2021年11月7日更新)

日本同様に四方を海に囲まれているオーストラリアでは新型コロナウイルスの感染蔓延に対し、徹底的な水際対策が行われ、2020年3月のパンデミック以降オーストラリアの出入国に関して、非常に厳しい措置が取られて来ました。

オーストラリア出入国を厳しく管理する徹底的な新型コロナウイルス水際対策で、世界的に見ると新型コロナウイルスの封じ込みに成功し、事実上の新型コロナウイルス・ゼロ戦略を実施して来たオーストラリアですが、2021年7月ニューサウスウェールズ州シドニーで発生したデルタ株の市中感染により、その舵取りは「新型コロナウイルスとの共生」へと大きく方向転換、新型コロナウイルスのワクチン接種率を高め、新型コロナウイルス感染陽性者数ではなく、重症化率、死亡率を重視する戦略へと変わりました。

このような状況下のオーストラリアですが、果たしてオーストラリアの国境オープンはいつオーストラリアへの入国・旅行はいつ可能になるのでしょうか、オーストラリア連邦政府、各州政府の発表やオーストラリアのナショナル・フラッグ・キャリアであるカンタス航空の発表から、その見通しをオーストラリア在住者が考察して行きたいと思います。

オーストラリアへの入国・旅行規制(2021年9月時点)

2020年3月20日21時以降、オーストラリアへの渡航者の全ての入国・旅行が禁止となり(オーストラリア市民及び永住者を除く)、帰国するオーストラリア市民及び永住者に対しては、オーストラリア到着日から14日間の各州政府指定の隔離施設での強制隔離が今もなお義務付けられております(トランス・タスマン・バブル制度締結のニュージーランド除く)。

当初この14日間の強制隔離費用は、各州・地域の負担となっておりましたが、その後この強制隔離費用は自己負担となり、現時点で各州・地域毎に負担額は多少異なっておりますが、例えばシドニーのあるニューサウスウェールズ州に到着、入国した場合、大人2人、子供2人の場合、家族4人でA$5,000.00の自己費用負担となっており、決して小さな額ではありません。

  大人1人目 追加の大人1人目以降 18歳以下の子供 3歳以下の幼児
オーストラリア首都特別区 A$3,000.00 A$1,000.00 A$500.00 無料
ニューサウスウェールズ州 A$3,000.00 A$1,000.00 A$500.00 無料
ノーザンテリトリー準州 A$2,500.00 2人以上の場合、一律A$5,000.00(お部屋共有)
クイーンズランド州 1部屋1泊 A$135.00 / 食費大人1日あたり A$65.00 / 食費子供1日あたり A$32.50 - 以上記載額を基に14日分にて算出(3歳以下の幼児無料)
ビクトリア州 A$3,000.00 A$1,000.00 A$500.00 無料
南オーストラリア州 A$3,000.00 A$1,000.00 A$500.00 無料
タスマニア州 A$2,800.00 A$1,000.00 A$500.00 無料

西オーストラリア州

大人1人1泊あたり A$180.00 / 追加1名(6歳以上)1泊あたり A$60.00 - 以上記載額を基に14日分にて算出(6歳以下は無料)

2021年6月現在: 各州・準州の定める強制隔離費用(データ引用元: 各州・準州のホームページ)

また、オーストラリアへの入国に際し、以下提出が求められております。

オーストラリア市民及び永住者以外の入国・旅行を禁止し、また帰国を希望するオーストラリア市民及び永住者には14日間の強制隔離措置を取ることで徹底的な水際対策を実施しているのが、現状のオーストラリアです。

オーストラリアからの出国規制(2021年9月時点)

新型コロナウイルス発生当初より短期滞在者(旅行者、ワーキングホリデー、学生など)には早期の出国、帰国を促していたオーストラリアですが、オーストラリア市民及び永住者に対しては、2020年3月25日より基本的にオーストラリア出国を禁じております

全てのオーストラリア市民及び永住者は、免除が認められない限りはオーストラリアからの出国が禁止され、止むを得ない事情により出国を希望する場合は、事前にオンラインにて国境警備隊へ出国希望の申請を行い、許可を得る必要があり、許可が下りるまでの間、オーストラリアを出国することは出来ません。

この出国申請許可は、厳格に定められた免除基準を満たす必要があり、例えば日本の親族の死去などの報に接した場合においても、英文での死亡診断書などの提出が求められ、オーストラリアからの出国は容易ではありません

カンタス航空・ジェットスター航空「ワクチン・パスポート」の導入を決定(2021年7月30日最新情報)

2021年7月30日のオーストラリア現地メディアの報道によると、カンタス・グループ(カンタス航空及びジェットスター航空)は、国際線の運行が再開された際に、搭乗客が新型コロナウイルスに感染していないことを確認するためのワクチン・パスポートとして、国際航空運送協会(International Air Transport Association - IATA)のデジタル・ヘルス・アプリ「Travel Pass(トラベル・パス)」を導入することを発表しました。

カンタス航空グループによると、この国際航空運送協会(IATA)の「Travel Pass(トラベルパス)」はワクチン・パスポートとして、カンタス航空及びジェットスター航空の国際線で導入されることになり、搭乗客はこのデジタル・ヘルス・アプリ「Travel Pass(トラベルパス)」を利用することで、新型コロナウイルスのワクチン接種状況や新型コロナウイルスの検査結果を、入国審査官、健康管理スタッフや航空会社のスタッフに証明することが可能となります。

また、このアプリ「Travel Pass(トラベルパス)」を導入しワクチン・パスポートとして運用することで、カンタス航空グループは、搭乗者の健康状況・ワクチン接種状況を確認し、渡航先の入国条件を事前に確認することで、搭乗許可を出すことが出来、また搭乗者も事前に搭乗許可を得られるかどうかの確認も可能となり、双方にとって大きなメリットになり得ます。

カンタス航空グループのステファニー・タリー顧客サービス責任者は、ワクチン・パスポートとなるこのデジタル・ヘルス・アプリ「Travel Pass(トラベルパス)」の導入が国際線運行再開の鍵を握り、既に世界中の多くの国々で入国の際にワクチン接種証明や新型コロナウイルスのテスト陰性結果を要求しており、このデジタル・ヘルス・アプリ「Travel Pass(トラベルパス)」がワクチン・パスポートとして旅行者、新型コロナウイルス・検査施設、各国保険当局、そして航空会社を結びつけ、多くの国との往来再開に繋がるとの認識を表明しております。

カンタス航空グループでは、このデジタル・ヘルス・アプリ「Travel Pass(トラベルパス)」を利用しない乗客に関しては、搭乗当日に空港でワクチン接種の証明書や陰性検査結果を書面で提出することは可能としていますが、デジタル・ヘルス・アプリの大きなメリットの一つである事前に搭乗が可能か否かの確認をすることは出来ないとしています。

この国際航空運送協会(IATA)のデジタル・ヘルス・アプリ「Travel Pass(トラベルパス)」ですが、現時点でエミレーツ航空、エティハド航空、シンガポール航空やカタール航空など多くの航空会社がワクチン・パスポートとして試験的に導入しています。

各州における国境オープンの状況・予定(2021年11月7日現在)

オーストラリアでは、オーストラリア連邦政府が国境に関する規制やオーストラリア国内における大枠の規制・制限を定め、更に各州政府が各州毎にその詳細を定め、決定、施行していく事となります。

よって、オーストラリア連邦政府の定めた「規制緩和ロードマップ」では、ワクチン接種率80%到達で順次国境をオープンして行く旨が定められていますが、実際はその舵取りは各州政府毎に異なり、国境のオープン時期も各州毎に異なっています。

ニューサウスウェールズ州(シドニーなど)の国境オープン状況・予定

2021年10月15日、オーストラリア連邦政府並びにニューサウスウェールズ州政府は、2021年11月1日よりワクチン接種を完了したオーストラリア人(永住者及びその家族含む)に対し、帰国後の隔離を一切求めない旨の発表を行い、これによりニューサウスウェールズ州の州民は、他州に先駆けて約1年半振りにオーストラリアからの出国、及び入国が隔離無しで可能となります。

隔離無しでの入国が可能となる条件

  • オーストラリア市民、永住者、その家族
  • オーストラリア医薬品行政局「Therapeutic Goods Administration(TGA)」で承認されたワクチン接種の2回接種が完了していること
  • オーストラリアに向けた航空機の搭乗前にPCR検査を受け、陰性証明を提示すること

現在も課されている海外からオーストラリアへの1日あたりの入国者上限人数に関しても、ワクチン接種完了者に関しては適用されず、ワクチン接種完了者に関しては人数制限無しでオーストラリア入国が可能となります。

但し、ワクチン接種が2回完了していない場合は、入国は可能ですが、1日あたりの入国上限人数に加算され、入国後は引き続き自己負担での強制隔離が必要となります。

現時点で、オーストラリア市民、永住者、その家族以外の渡航者の受け入れ開始時期、隔離条件の緩和など、具体的なロードマップは発表されておりませんが、今後ビジネスビザ保有者、学生ビザ保有者に対する入国緩和、その後ワクチン接種率の高い国、感染が比較的抑え込まれている国の短期旅行者の受け入れへと少しずつ前進していく予定となっています。

クイーンズランド州や西オーストラリア州を始め、ほとんどの州がニューサウスウェールズ州との州境を閉鎖しており、ニューサウスウェールズ州民は海外には行けるが、国内移動は出来ないという非常に奇妙な状況下におかれます。

クイーンズランド州(ケアンズ、ゴールドコーストなど)の国境オープン状況・予定

2021年10月18日クイーンズランド州政府は、クイーンズランド州における州境並びに国境オープンへのロードマップを発表致しました。

ワクチン2回接種完了者が州人口比70%到達(2021年11月19日予定)

【オーストラリア国内ホットスポット(感染多発地帯)からクイーンズランド州への入州が許可される要件】

  • 2回のワクチン接種が完了していること
  • 空路で入州すること(陸路は認められない)
  • 到着72時間以内の新型コロナウイルス検査での陰性証明の提示
  • 到着後14日間は自宅隔離を行うこと

【海外からクイーンズランド州への入州が許可される要件】

  • 海外からクイーンズランド州へ直接入州する場合、州政府指定の隔離施設にて14日間の強制隔離が必要(費用自己負担)
  • 海外から他州を経由の上、クイーンズランドへ入州する場合、オーストラリア入国後14日間が経過していない場合は、州政府指定の隔離施設にて強制隔離が必要(費用自己負担)
ワクチン2回接種完了者が州人口比80%到達(2021年12月17日予定)

【オーストラリア国内ホットスポット(感染多発地帯)からクイーンズランド州への入州が許可される要件】

  • 2回のワクチン接種が完了していること
  • 空路及び陸路いずれの手段でも入州が可能
  • 到着72時間以内の新型コロナウイルス検査での陰性証明の提示
  • 隔離は不要

【海外からクイーンズランド州への入州が許可される要件】

  • 海外からクイーンズランド州へ直接入州する場合、2回のワクチン接種を完了していて、且つ到着72時間以内の新型コロナウイルス検査で陰性の場合、自宅での隔離が可能
  • 上記条件を満たさない場合は、州政府指定の隔離施設において強制隔離が必要(費用自己負担)
ワクチン2回接種完了者が州人口比90%到達
  • 2回のワクチン接種が完了している場合、入州規制並びに隔離の必要は無し
  • 2回のワクチン接種が完了していない到着者・入州希望者は、クイーンズランド州への入州許可証の取得、14日間の隔離が必要となり、1日あたりの入州制限者数の規制が課される

ゴールドコーストのコロナウイルス

資料引用元: クイーンズランド州 アナスタシア・パラシェ州知事

西オーストラリア州(パースなど)の国境のオープン状況・予定

2021年11月5日西オーストラリア州のマーク・マクガワン州首相は記者会見において、西オーストラリア州は12歳以上の州民のワクチン接種率が90%に到達した時点で、州境及び国境をオープンする旨の発表を行いました。

西オーストラリア州のワクチン接種率90%到達は、2022年1月後半から2月頭が予測され、州境・国境の閉鎖解除に向けた具体的な日程・内容に関しては、2021年12月に到達が予想されるワクチン接種率80%の段階で決定していく旨が併せて発表されております。

今回の西オーストラリア州政府の発表の中において、州境・国境が開かれる際には、現在は緩和されつつある社会規制を再度施行し、公共交通機関でのマスク着用義務、スタジアムやコンサート会場への入場はワクチン接種証明の提示が義務付けられる予定となっており、西オーストラリア州は州境・国境が開かれた後も引き続き厳格な新型コロナウイルス対策が取られることとなります。

また、ワクチン接種率80%到達を州境オープンに向けた一つの目安とする州・準州がほとんどの中、西オーストラリア州はワクチン接種率90%と定めたことにより、西オーストラリア州の州境並びに国境オープンは他州と比べると、大幅に遅れることとなる見通しとなっております。

本情報の注意事項

掲載されている情報は執筆時のものです。特に新型コロナウィルスの水際対策に関して、日々手続き、対策は変化していますので、現在の状況と異なっている場合もあります。

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