オーストラリアのカニ完全ガイド|マッドクラブから巨大ガニまで種類・旬・食べ方を紹介

オーストラリア旅行でシーフードを楽しむなら、ロブスターやオイスターと並んでぜひ試してほしいのがカニです。ひと口に「Crab」といっても、北部のマングローブに棲むマッドクラブ、青い脚が印象的なブルースイマークラブ、東海岸のスパナークラブ、タスマニア沖の巨大なジャイアントクラブなど、地域によって主役が大きく変わります。

日本のズワイガニやタラバガニとは種類も食べ方も違い、オーストラリアでは甘みのある身をシンプルに味わう料理から、チリソース、ガーリックバター、ジンジャー&シャロットなどアジア系の調理法まで幅広く楽しまれています。

旅行者が少し戸惑いやすいのが呼び名です。例えばBlue Swimmer Crabは、クイーンズランド州では「Sand Crab」、西オーストラリア州では「Blue Manna Crab」と呼ばれることがあります。さらに南オーストラリア州にはBlue Swimmer Crabとは別にSand Crabと呼ばれる種類もあり、州によって名前の使われ方が違います。

また、タスマニアのGiant Crabは「Tasmanian Giant Crab」や「King Crab」と呼ばれることがありますが、日本で一般的なタラバガニとは別のカニです。現地でメニューを見るときは、日本語名よりも英語名を覚えておくと選びやすくなります。

この記事では、日本からオーストラリアを訪れる旅行者向けに、代表的なカニの種類、主な産地、味の違い、旬と流通、レストランでの食べ方、注文時のポイント、釣りや採取をする場合の注意点までまとめて紹介します。

オーストラリアのカニとは?

オーストラリアは熱帯のマングローブ、暖かい湾や河口、温帯の沿岸、南部の冷たい深海まで、非常に幅広い海洋環境を持っています。そのため、食用になるカニも地域によってかなり違います。

北部の主役はマッドクラブ

クイーンズランド州北部、ノーザンテリトリー、西オーストラリア州北部などの熱帯域では、大型で肉厚なマッドクラブ(Mud Crab)が代表格です。マングローブや河口域に棲み、アジア料理との相性が良いことからレストランでも人気があります。

南部・西部ではブルースイマークラブが身近

ブルースイマークラブは西オーストラリア州、南オーストラリア州、クイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州など広い範囲で漁獲されます。比較的手に入りやすく、地元の人が自分でカニ採りを楽しむ地域もあります。

深い海にはオーストラリアならではの大型種

タスマニアや南部海域ではジャイアントクラブ、西オーストラリア州沖の深海ではクリスタルクラブなどが漁獲されます。いずれも漁獲量が多い大衆魚介というより、見つけたら試してみたいプレミアムなカニです。

オーストラリアで食べられる主なカニ

旅行者がレストランや魚市場で目にする可能性が高いものを中心に挙げると、マッドクラブ、ブルースイマークラブ、スパナークラブ、ジャイアントクラブ、クリスタルクラブが代表的です。

「日本のカニ」とは顔ぶれが違う

日本で冬の味覚として親しまれるズワイガニ、毛ガニ、タラバガニとは違い、オーストラリアでは暖かい海域のワタリガニ類や、南部の大型深海性カニが目立ちます。

Moreton Bay Bugはカニではない

シーフードメニューでよく見かけるMoreton Bay BugやBalmain Bugは、名前や見た目からカニの仲間と思われがちですが、分類上はセミエビ類の甲殻類です。オーストラリアらしいシーフードではありますが、カニとは別物です。

オーストラリアのカニ基本情報

日本語表記英語名主な地域・特徴
マッドクラブMud Crab北部・東部のマングローブ、河口域。大型で濃厚な味
ブルースイマークラブBlue Swimmer CrabWA、SA、QLD、NSWなど。甘みがあり身近な食用ガニ
スパナークラブSpanner CrabQLD~NSW東海岸。赤い甲羅と独特の平たい体形
ジャイアントクラブGiant Crab / Tasmanian Giant Crab南部の深海。非常に大型で流通量は少ない
クリスタルクラブCrystal CrabWAの深海。白く繊細な身で高級食材
シャンパンクラブChampagne CrabWAの沖合。深海性で流通量は少ない

主な産地・漁場

オーストラリアでは「全国どこでも同じカニが名物」というわけではありません。旅行先によって探すべき種類を変えるのがコツです。

クイーンズランド州

マッドクラブ、ブルースイマークラブ、スパナークラブが重要です。特にスパナークラブは南東クイーンズランド州沖が商業漁業の中心で、州政府によると世界最大規模の商業スパナークラブ漁業がクイーンズランド州にあります。

ノーザンテリトリー

マッドクラブの本場の一つです。商業漁獲の大半はGiant Mud Crabで、湾岸部や河口、マングローブ周辺が主要な漁場となっています。

南オーストラリア州

スペンサー湾、セントビンセント湾などでブルースイマークラブが重要です。アデレード周辺の魚店やシーフード店でも地元産を見つけやすい地域です。

西オーストラリア州

ブルースイマークラブに加え、沖合の深海ではクリスタルクラブ、ジャイアントクラブ、シャンパンクラブなどが漁獲されます。ブルースイマークラブは「Blue Manna Crab」と呼ばれることもあります。

タスマニア州

オーストラリア最大級のカニであるジャイアントクラブの産地です。ただし漁業規模は小さく、いつでもレストランで食べられるとは限りません。

オーストラリアのカニ漁業

カニ漁業は主に州・準州政府が管理し、漁獲枠、最低サイズ、雌の保護、禁漁期、使用できるカニ籠や網などのルールが細かく定められています。

カニ籠・ポット漁が中心

マッドクラブやブルースイマークラブは餌を入れたポットやトラップ、スパナークラブは「dilly」と呼ばれる平たい網状の漁具などを使って漁獲されます。

抱卵した雌を守るルールが一般的

多くの州では卵を抱えた雌のカニを持ち帰ることが禁止されています。クイーンズランド州ではマッドクラブとブルースイマークラブの雌そのものを商業漁獲できないなど、地域によってさらに厳しい規則があります。

同じ種類でも資源状態は地域で違う

例えばブルースイマークラブはオーストラリア各地に複数の資源群があり、資源状態は一様ではありません。旅行者が食べる際も「オーストラリア産だからすべて同じ」というより、産地まで見るとより理解しやすくなります。

1.マッドクラブ

マッドクラブ(Mud Crab)は、オーストラリア北部を代表する高級ガニです。オーストラリアにはGiant Mud Crab(Scylla serrata)とOrange Mud Crab(Scylla olivacea)が生息します。

大きな爪と肉厚の身が魅力

身はしっかりしていて甘みがあり、特に太い爪の肉は食べ応えがあります。蒸す、茹でるといったシンプルな調理のほか、チリクラブ、ブラックペッパー、ジンジャー&シャロットなど濃いめのソースにも負けません。

ダーウィンやクイーンズランド州で探しやすい

ノーザンテリトリーでは商業漁獲の99%以上がGiant Mud Crabとされています。ダーウィン、ケアンズ、ブリスベンなど、熱帯・亜熱帯地域を旅するなら候補に入れたいカニです。

旅行者には「時価」の店も多い

生きたカニを水槽から選ぶタイプの中華・アジア系シーフードレストランでは、100gまたは1kg当たりの価格で表示されることがあります。注文前に重さと最終的なおおよその金額を確認すると安心です。

2.ブルースイマークラブ

ブルースイマークラブ(Blue Swimmer Crab)は、オーストラリアで最も身近な食用ガニの一つです。主な種はPortunus armatusで、雄は鮮やかな青色が目立ちます。

味は繊細で甘い

マッドクラブより身は細めですが、上品な甘みがあり、茹でガニ、サラダ、パスタ、サンドイッチ、クラブケーキなど幅広く使われます。

州によって名前が変わる

クイーンズランド州では「Sand Crab」、西オーストラリア州では「Blue Manna Crab」や「Bluey」と呼ばれることがあります。レストランの黒板メニューや魚店では、このローカル名で出ている場合があります。

アデレード、パース周辺でもおなじみ

南オーストラリア州の湾内や西オーストラリア州の河口・内湾は代表的な産地です。観光中にローカル色のあるカニを食べたい場合、比較的狙いやすい種類です。

3.スパナークラブ

スパナークラブ(Spanner Crab)は、赤~オレンジ色の甲羅と、工具のスパナを思わせる独特の爪を持つカニです。学名はRanina ranina

クイーンズランド州を代表するカニ

東海岸ではクイーンズランド州とニューサウスウェールズ州にまたがる一つの資源として管理され、商業漁獲の大半をクイーンズランド州が占めます。南東クイーンズランド州沖が特に重要な漁場です。

やわらかく甘い身

クセが少なく、やさしい甘みがあるため、冷製のシーフードプレート、サラダ、パスタ、クラブミート料理にもよく合います。殻付きより、ほぐし身で提供されることもあります。

11月1日~12月15日はクイーンズランド州の禁漁期

クイーンズランド州では産卵保護のため、毎年11月1日から12月15日までスパナークラブ漁が休漁となります。レストランでは冷凍品や他地域からの供給もあるため完全に消えるとは限りませんが、地元産の流通には影響します。

4.ジャイアントクラブ

ジャイアントクラブ(Giant Crab)は、学名Pseudocarcinus gigas。タスマニアでは「Tasmanian Giant Crab」「King Crab」とも呼ばれます。

世界最大級のカニ

タスマニア州政府によると、最大で甲長46cm、17kgに達することがある巨大なカニです。雄では左右の爪の大きさが大きく違う個体が多く、見た目の迫力もあります。

深海に棲み、漁獲量は少ない

タスマニアでは水深140~270mほどに生息する深海性のカニです。2026/27漁期のタスマニア州の商業漁獲可能量は20.7トンで、一般的なシーフードのように大量流通する種類ではありません。

「King Crab=タラバガニ」とは限らない

日本人にとって重要なのがここです。タスマニアでKing Crabと書かれている場合、Pseudocarcinus gigasを指すことがあります。日本でいうタラバガニとは別種なので、気になる場合は産地や英語名を確認してみましょう。

5.クリスタルクラブ

クリスタルクラブ(Crystal Crab)は、主に西オーストラリア州沖の深海で漁獲される白いカニです。学名はChaceon albus

水深400mを超える深海にも生息

オーストラリアの魚類資源評価では、西オーストラリア州の西岸・南岸沖で商業漁獲される深海性のカニとされています。西岸の漁業はMSC認証も取得しています。

繊細な甘みを生かした料理向き

身は白く、甘みのある上品な味わい。素材を前面に出す冷製料理やクラブミート、パスタなどに向いています。ただし一般のレストランで常に見つかる種類ではなく、入荷があれば試したいカニです。

地域別に見る「名物のカニ」

旅行先で何を探せばよいか、ざっくり地域別に整理すると次のようになります。

ダーウィン

まずマッドクラブ。北部らしい食材として、シンプルな蒸し料理だけでなく、東南アジア系・中華系の調理法でも楽しめます。

ケアンズ・ブリスベン・ゴールドコースト

マッドクラブ、ブルースイマークラブ、スパナークラブが候補です。特にクイーンズランド産スパナークラブは、他州より地元色を感じやすい食材です。

シドニー

産地というより「全国のシーフードが集まる都市」として選択肢が豊富です。魚市場、日本食、中華、モダン・オーストラリア料理など、店によってさまざまなカニを扱います。

アデレード

ブルースイマークラブに注目。スペンサー湾、セントビンセント湾など南オーストラリア州の湾内で漁獲される代表的なシーフードです。

パース・西オーストラリア州

Blue Manna Crabの名で親しまれるブルースイマークラブのほか、クリスタルクラブなど深海性のカニも西オーストラリア州らしい存在です。

ホバート・タスマニア

ジャイアントクラブが象徴的ですが、漁獲量が少ないため「行けば必ず食べられる名物」というより、入荷があればぜひ試したい希少な食材と考えておく方が現実的です。

州によって違うカニの呼び名

オーストラリア旅行で最も混乱しやすいのが、カニのローカルネームです。

Blue Swimmer Crab=Sand Crabの場合がある

クイーンズランド州の漁業情報では、Blue Swimmer CrabをSand Crabとも呼びます。一方、南オーストラリア州ではBlue Swimmer Crabとは別に「Sand Crab」という種類が漁獲対象になっています。

Blue Manna CrabもBlue Swimmer Crab

西オーストラリア州ではBlue Swimmer CrabをBlue Manna Crabと呼ぶのが一般的です。メニューで「Blue Manna」を見ても別の珍しい種類ではありません。

Tasmanian King Crabはジャイアントクラブ

タスマニア州政府はGiant Crabの別名としてKing Crab、Tasmanian Giant Crabを挙げています。日本のタラバガニを想像して注文すると別物なので注意してください。

オーストラリア国内での人気

カニはオーストラリアでも人気のシーフードですが、エビやフィッシュ&チップスの魚ほど日常的にどこでも食べられるわけではありません。種類によって流通量と価格にかなり差があります。

ブルースイマークラブは比較的身近で、地域によってはレクリエーションのカニ採りも盛んです。マッドクラブは高級食材として中華・東南アジア系レストランで存在感があり、スパナークラブはクイーンズランド州産のクラブミートとして料理に使われます。ジャイアントクラブやクリスタルクラブは流通量が少なく、見つけたときの特別感がある食材です。

オーストラリアでの食べ方

オーストラリアのカニ料理は、日本のように茹でガニをそのまま食べるだけではありません。多文化社会らしく、調理法の幅がとても広いのが特徴です。

蒸す・茹でる

新鮮なカニなら最も分かりやすい食べ方です。レモン、溶かしバター、シンプルなソースを添え、カニそのものの甘みを楽しみます。

チリクラブ

シンガポール料理として有名ですが、オーストラリアでも中華・東南アジア系レストランで定番です。肉厚なマッドクラブとの相性が良く、ソースをパンやご飯と一緒に食べます。

ジンジャー&シャロット

生姜と青ネギ系の香味野菜を使った中華風の調理。カニの甘みを残しながら香りを加えるので、マッドクラブやブルースイマークラブによく合います。

ガーリックバター・クラブパスタ

洋食系ではガーリックバター、クリーム、トマトなどと合わせたパスタやリングイネも人気があります。殻付きよりもほぐし身で食べたい人には選びやすい料理です。

冷製シーフード

スパナークラブやブルースイマークラブの身を冷やして、サラダ、クラブカクテル、シーフードプラッターとして提供する店もあります。

旬・出回る時期

日本のカニのように「冬が全国共通の旬」と考えると、オーストラリアでは少し違います。国土が広く、熱帯から冷温帯まで漁場が分かれるため、種類と地域ごとに漁期や出回り方が変わります。

マッドクラブ

熱帯域では年間を通して漁獲されますが、ノーザンテリトリーのレクリエーション情報では乾季に多く獲られると案内されています。旅行者にとっては季節よりも、その日の入荷と身入りを確認する方が実用的です。

ブルースイマークラブ

複数州で漁獲され、地域によって禁漁期や漁業管理が異なります。例えば西オーストラリア州のパース~南西部の一部水域では、レクリエーションのカニ漁に9月1日~11月30日の禁漁期があります。

スパナークラブ

クイーンズランド州では毎年11月1日~12月15日が産卵期の休漁期間です。地元産の「旬」を考えるなら、この休漁期を外した時期に注目するとよいでしょう。

ジャイアントクラブ・クリスタルクラブ

深海性で漁業規模も小さく、一般旅行者には「旬」より流通の有無の方が大きな要素です。レストランの入荷情報や魚市場の当日の品揃えを確認するのがおすすめです。

おいしいカニの見分け方

水槽から生きたカニを選ぶ店や魚市場では、単に大きい個体を選べばよいとは限りません。脱皮直後は殻が柔らかく、身入りが少ないことがあります。

ずっしりした重さ

同じくらいの大きさなら、持ったときに重みがある個体の方が身入りが良い傾向があります。店員に「Which one is full of meat?」と聞いて選んでもらうのも簡単です。

マッドクラブは殻の状態も目安

ノーザンテリトリー政府は、脱皮したばかりのカニは身が詰まっていないことがあるとして、殻や爪の摩耗、甲羅の硬さなどを確認する方法を紹介しています。

冷凍品も悪いとは限らない

漁場から都市部まで距離があるオーストラリアでは、冷凍のクラブミートや冷凍カニも一般的です。適切に処理された商品なら、パスタやサラダなどでは十分おいしく楽しめます。

丸ごとのカニを食べるときのポイント

殻付きのカニは旅先で楽しい一方、食べ慣れていないと想像以上に時間がかかります。

クラッカーとピックがあるか確認

大きな爪のあるマッドクラブやジャイアントクラブでは、殻を割るクラッカーがほぼ必須です。提供されなければスタッフに「Could I have a crab cracker, please?」と頼めば通じます。

服装は汚れても困らないものを

チリクラブやブラックペッパークラブなど殻付き料理はソースが飛びやすく、エプロンやおしぼりが用意される店もあります。白い服で食べるときは少し注意が必要です。

1杯の値段ではなく重量制の場合がある

活ガニは「Market Price」「MP」とだけ書かれていることがあります。1kg当たりの価格、選んだカニの重さ、調理料金や追加料金があるかを注文前に確認しましょう。

資源管理とサステナビリティ

オーストラリアのカニ漁業は、種類ごと、地域ごとに資源評価と漁獲管理が行われています。ただし「オーストラリア産のカニはすべて資源状態が良い」と一括りにすることはできません。

マッドクラブ

2023年のStatus of Australian Fish Stocksでは、オーストラリアに生息するGiant Mud CrabとOrange Mud Crabについて評価された6資源はいずれもSustainableとされています。

スパナークラブ

クイーンズランド州・ニューサウスウェールズ州の東海岸資源は、2023年評価でSustainableとされています。最低サイズ、抱卵雌の保護、休漁期、漁獲枠などを組み合わせて管理されています。

ブルースイマークラブ

2023年評価では全国10資源のうち8資源がSustainableでしたが、西オーストラリア州の一部にDepleted、南東オーストラリアにDepletingと評価された資源がありました。産地ごとの管理が重要な種類です。

深海性のカニ

西オーストラリア州のクリスタルクラブ西岸資源はSustainableと評価され、漁業はMSC認証を取得しています。一方、ジャイアントクラブは地域によって資源評価が異なります。

漁獲ルールは州ごとに違う

オーストラリアではレクリエーションフィッシングの規則が全国共通ではありません。最低サイズ、持ち帰り数、雌の扱い、使用できる漁具、禁漁区、ライセンスの有無が州・準州によって変わります。

クイーンズランド州

商業漁業ではマッドクラブとブルースイマークラブの雌は持ち帰れません。スパナークラブは最低サイズと抱卵雌保護に加え、毎年の休漁期があります。

西オーストラリア州

ブルースイマークラブには地域別の最低サイズ、バッグリミット、禁漁期があります。MandurahやPerth周辺で気軽にカニ採りを考えている人ほど、当日の最新ルール確認が必要です。

タスマニア州

ジャイアントクラブをレクリエーションで狙うにはロックロブスターポットのライセンスが必要で、漁期、最低サイズ、持ち帰り数にも規定があります。

旅行中にカニ釣り・カニ採りをする場合

ブルースイマークラブやマッドクラブは、地域によっては旅行者でもレクリエーションとして狙えます。ただし「海にいるから自由に採ってよい」わけではありません。

出発前に州政府の公式ルールを確認

最低サイズやバッグリミットは変更されることがあります。カニ用の計測ゲージが必要な地域もあるため、釣具店や州政府の公式アプリ・ウェブサイトで確認してください。

雌・抱卵個体の扱いに注意

雌そのものが採取禁止の州もあれば、抱卵した雌のみ禁止の地域もあります。同じ種類のカニでも州境を越えるとルールが変わることがあります。

マリンパーク内は別ルールの場合がある

グレートバリアリーフや各州のマリンパークでは、一般海域より厳しいゾーニングが設定されている場所があります。ツアーではなく個人で採取する場合は特に注意してください。

魚市場・レストランでカニを選ぶ

旅行中にカニを食べたい場合、「Crab」とだけ書かれたメニューでは種類が分からないことがあります。英語名と産地を一つずつ確認するのが確実です。

「What kind of crab is it?」で種類を確認

種類を聞きたいときは「What kind of crab is it?」、産地を聞きたいときは「Where is the crab from?」で十分です。Southern Queensland、South Australia、Tasmaniaなど地域名まで分かると選ぶ楽しみが増えます。

活ガニは価格を先に聞く

マッドクラブなどは水槽で生かしたまま販売し、注文後に重さを量る店があります。「How much will this crab be approximately?」と聞けば、調理前に大まかな総額を確認できます。

クラブミートなら食べやすい

殻をむく手間を避けたい場合、Spanner Crab Meat、Blue Swimmer Crab Meatなど、ほぐし身を使った料理がおすすめです。短い旅行で食事時間を節約したい人にも向いています。

「Local」だけでは魚種までは分からない

Local Crabと書かれていても、その州で水揚げされた何のカニなのかはメニューだけでは判断できません。特にSand Crab、King Crabのように地域で意味が変わる名前は確認した方が確実です。

日本人が知っておきたい実用ポイント

日本とオーストラリアでは、カニの種類だけでなく注文の仕方や表示にも違いがあります。

「King Crab」がタラバガニとは限らない

タスマニアではGiant Crabの別名としてKing Crabが使われます。一方、都市部のレストランでは輸入物のタラバガニをKing Crabとして提供することもあります。Australian、Tasmanianなど産地表記を確認しましょう。

「Sand Crab」は要注意

クイーンズランド州ではBlue Swimmer Crabの別名として使われますが、南オーストラリア州には別種のSand Crabもいます。州と学名・英語名を合わせて見るのが確実です。

時価表示は珍しくない

活マッドクラブなどはMarket Price(MP)が一般的です。価格だけでなく、1kg当たりなのか、料理1皿当たりなのかを必ず確認してください。

カニ味噌を期待しすぎない

オーストラリアのレストランでは、日本の毛ガニのように「カニ味噌を味わう」ことが主目的ではなく、脚や爪、胴の白い身を楽しむ料理が中心です。

甲殻類アレルギーは「shellfish allergy」

カニやエビにアレルギーがある場合は「I have a shellfish allergy. I cannot eat crab or prawns.」など、具体的な食材名も伝えると誤解が少なくなります。

食用ではない「有名なカニ」もいる

オーストラリアのカニを語るうえで、クリスマス島のアカガニ(Christmas Island Red Crab)も外せません。ただし、これは旅行中に食べるカニとしてではなく、世界的に有名な野生動物として知られています。

1億匹規模の大移動

Parks Australiaによると、クリスマス島では現在およそ1億匹のアカガニが生息し、雨季の最初のまとまった雨をきっかけに森から海へ大移動します。道路を横切るカニを守るため、専用の橋やバリア、交通規制まで行われます。

ロバークラブも保護されている

クリスマス島にはRobber Crab(Coconut Crab、ヤシガニ)も生息します。同島では保護されており、食材ではなく観察する野生動物です。大きな個体では脚を広げて1m近くになることもあります。

野生のカニを見つけても持ち帰らない

国立公園や保護区、マリンパークでは採取が禁止されている場所があります。食用ガニの記事で紹介した種類とは別に、観察するだけにすべきカニが多数いることも覚えておきましょう。

オーストラリアでカニを注文するときのポイント:「Crab」だけでなく、Mud Crab、Blue Swimmer Crab、Spanner Crab、Giant Crabなど英語名まで確認するのがおすすめです。特にSand Crab、Blue Manna Crab、King Crabは地域によって意味が変わるため、産地も一緒に聞くと失敗がありません。

オーストラリアのカニに関するよくある質問(FAQ)

オーストラリアで一番有名な食用ガニは何ですか?

地域によります。北部ではマッドクラブ、クイーンズランド州ではスパナークラブ、南オーストラリア州や西オーストラリア州ではブルースイマークラブが代表的です。タスマニアには非常に大型のジャイアントクラブもいます。

Mud Crabはどんな味ですか?

身が厚く、しっかりした食感と甘みがあります。蒸し・茹でだけでなく、チリクラブ、ブラックペッパー、ジンジャー&シャロットなど濃い味の料理にも向きます。

Blue Swimmer CrabとSand Crabは同じですか?

クイーンズランド州ではBlue Swimmer CrabをSand Crabとも呼びます。ただし南オーストラリア州では別種のSand Crabも漁獲されるため、地域によって意味が違います。

Blue Manna Crabとは何ですか?

西オーストラリア州で使われるBlue Swimmer Crabの呼び名です。別の種類ではなく、主にPortunus armatusを指します。

Tasmanian King Crabは日本のタラバガニですか?

違います。タスマニアでKing CrabやTasmanian Giant Crabと呼ばれるPseudocarcinus gigasは、日本で一般的なタラバガニとは別種です。

オーストラリアで最も大きいカニは何ですか?

代表的なのはTasmanian Giant Crabです。タスマニア州政府によると、最大で甲長約46cm、17kgに達することがあります。

Spanner Crabはどこで食べられますか?

主な産地はクイーンズランド州からニューサウスウェールズ州北部の東海岸です。ブリスベン、ゴールドコースト、サンシャインコーストなどでは地元産を扱う店を探しやすいでしょう。

オーストラリアのカニに旬はありますか?

全国共通の旬はありません。種類、州、漁場ごとに漁期や禁漁期が異なります。例えばクイーンズランド州のスパナークラブは毎年11月1日~12月15日が休漁期です。

旅行者でもカニ採りはできますか?

地域によって可能ですが、州・準州ごとに最低サイズ、持ち帰り数、使用できる漁具、雌や抱卵個体の保護、禁漁区などが定められています。必ず当日の公式ルールを確認してください。

クリスマス島の赤いカニは食べられますか?

旅行者が食用として採るカニではありません。Christmas Island Red Crabは島の生態系を支える重要な野生動物で、大移動そのものが世界的な観光資源になっています。

レストランでMarket Priceと書いてある場合はどうすればいいですか?

注文前に1kg当たりの価格と選んだカニの重さを聞き、最終金額のおおよその目安を確認してください。活マッドクラブなどでは重量制の時価表示が一般的です。

オーストラリアのカニに関する参考情報

まとめ:オーストラリアでは、旅先によって「食べるべきカニ」が変わる

オーストラリアのカニの面白さは、地域によって種類がはっきり変わることです。ダーウィンや北部クイーンズランドならマッドクラブ、ブリスベン周辺ならスパナークラブ、アデレードやパースならブルースイマークラブ、タスマニアなら希少なジャイアントクラブと、それぞれの土地らしい一皿があります。

味の違いもはっきりしています。マッドクラブは肉厚で力強く、ブルースイマークラブは繊細な甘み、スパナークラブはやわらかな身質が魅力。深海のジャイアントクラブやクリスタルクラブは、入荷があればぜひ試してみたい特別な食材です。

一方で、Sand Crab、Blue Manna Crab、King Crabなど、州によって呼び名が変わるのが少しややこしいところです。メニューで気になるカニを見つけたら、種類と産地を聞いてみてください。それだけで、単なる「カニ料理」がオーストラリアの海と地域性を感じる一皿に変わります。

また、自分でカニ採りをする場合は、旅行者であっても現地の漁業規則を守る必要があります。最低サイズ、持ち帰り数、雌の保護、禁漁期などは州ごとに違うため、必ず最新の公式情報を確認しましょう。

オーストラリア旅行でシーフードを食べる機会があれば、ロブスターやオイスターだけでなく、その土地で水揚げされるカニにも注目してみてください。

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