舞台はドロシーが竜巻によって迷い込むずっと前、昔々のおとぎの国 “オズ"の世界。物語は2人の女の子がオズで出会うところから始まる。
エメラルドグリーン色の肌に生まれたエルファバは知的で厳しい性格なのだが、なかなか自分自身を認めてもらえないことにコンプレックスを抱き始める。一方、いつも大きな望みをもったグリンダは外見の美しさゆえ人々の注目を集めていた。
性格も立場も正反対の彼女達が直面する、同じ人を好きになってしまったことで生まれるライバル心や政府に対しての複雑な思いなど、さまざまな事情によって年頃の女の子同士の友好関係は揺れ続け――やがて二人がどのようにして西の悪い魔女、北の良い魔女へと変身していくかを、壮大でカラフルな舞台演出を盛り込みながらエンディングを迎える。
ショー中には1939年に上映された“オズの魔法使い"にある有名な場面や対話がいくつかとりこまれている。“ウィキッド"は既存する物語の前編のような想像力をかき立てられるストーリー性とともに、偽りのない恋愛と友情をテーマに世に愛される作品として確立している。
このミュージカルは家族全員で楽しめるものになっており、特にティーン世代の女の子は主役のキャラクター達の年齢に該当するため、彼らの心情や行動に誰よりも興味を引かれるだろう。